セキュリティの新しい風

セキュリティの新しい風(2018年8月29日)
 ~「情報 = 風」論 ~

1999年11月号から Cyber Security Management という雑誌(1冊 5,000円、定期購読 年 50,000円)に 連載を行ったが、その時のタイトルを 【セキュリティの新しい風(Birds of a feather)】とした。
 タイトルをこのブログで復活させて、非技術的なサイバーセキュリティのあれこれブログです。

「情報 = 風」論
 「風」という童謡をご存じでしょうか? セミナーなどで聞く(実際に最初の方を聴いてもらう)が、若い人達では知らない人が多かった。
 聴いたことがなければ、Youtubeにもあるので、「風 西条八十」で検索可能です。

この「風」の歌詞は、
  「誰が風を見たでしょう? ぼくもあなたも見やしない」
と始まる。
この童謡は、英国のクリスティナ・ジョージナ・ロゼッティの詩に、大正10年、西条八十が訳詞し、草川信が作曲をした。 この詩では、風は感じるが見えないと詠っている。


では、情報やデータを見たことがあるだろうか?
「紙に印刷されている」とか、「コンピュータの画面に表示されている」と言われるが、紙という媒体に印刷されている、あるいは、コンピュータのディスプレイに表示されているのであって、媒体があって始めて情報やデータであると考えられ、情報やデータそのものではない。
即ち、情報そのものを指摘しているのではなく、情報が保存されている(と思われる)物理的なものを示している。
風と同じように、「見えないもの」を捕らえることもできなければ、保護・保全もできないのではないだろうか?
情報を保護・保全するためには、それが保存されている物理的に見える印刷物やコンピュータ、ハードデスク、ネットワーク等の物理的なものを保護・保全する必要があり、「情報セキュリティ」とか「サイバーセキュリティ」と言っているが、実際には人間を含め、物理的なものを保護・保全することになるのではないだろうか?